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理事長コラム

第20回慢性期医療を考える会に演者として出席した。

『第20回 慢性期医療を考える会 』が令和6年12月3日(火曜日)18:50~21:00 もくせい会館 富士ホールで開催された。瀬名病院長の小川先生にお声を掛けて頂き『慢性期医療を考える会』の有る事を知りました。この会は急性期医療対応の静岡県立総合病院でおよそ20年前に立ち上がったと聞きます。患者さんが急性症状が落ち着いて退院した後のフォローを如何したら快適に送れるかを考えたのは私だけでないと会の趣旨に賛同しました。私も『訪問歯科の関わり』と言う演題で話してきましたので報告します。

今までの歯科のイメージでは歯科は往診しないと思っている人がほとんどだと思う。しかし私はある患者さんからの電話を頂いた時から自宅に行って診療をする事をやって居ました。20年前の時点では訪問の診療点数が無い時代で往診に行ってもほとんどボランティアでやって居りました。『音羽歯科クリニックに良く通っていた人で不幸にして脳梗塞を発症して闘病生活の末、一命は取り留めて退院して来たが寝たきりに成り口腔内が痛くて食事が摂れていない。』とご家族様から電話を頂いた。食事が摂れなく成れば益々体力は弱ってしまうので診療終わりに伺いますと返事をした。この一言が私を駆り立てました。2002年の米山先生の論文では『ある施設で口腔ケアを続けた20人のグループと全然口腔ケアをしない20人のグループで熱発・誤嚥性肺炎の起こった人数では、口腔ケアをしないグループに多く発生し、明らかに口腔ケアをしたグループに優位性が有る』と結論つけた。これにより口腔ケアの重要性が認められ現在の訪問診療の保険点数が歯科にも割り振られた。これにより現在の音羽歯科クリニック訪問歯科の体系が確立した。

外来診療と違い、訪問診療には多くの困難な事が有る事を話した。
訪問診療では、診療環境が音羽歯科クリニック外来から離れ患者さんの居住空間への移動で行います。ポータブルレントゲンやポータブル口腔内使用の電気エンジンを絶えず持ち運ばなければならない難しさが有ります。それに患者さんの年齢も65歳以上の高齢者対象がほとんどです。中には28歳、脊髄損傷で手足が不自由で院内に通えない患者さん、38歳で外に出るとパニックに成ると言う引きこもりの患者さんなどケアマネージャーさん、訪問看護師さん達のご紹介で動いております。
訪問歯科で対象にする患者さんの多くは有病者が多くて色々な病気の既往を持っており多職種の連携を取り歯科治療を進めております。
またコミュニケーションについて言えば、外来では先生と患者さんとの会話が成り立ちますが訪問診療の場では意思疎通困難者が多い為、ケアマネージャーさんから頂いたアセスメントや毎日接しているご家族、介護士さん達の日常の様子を聞き判断しなければならない難しさが有ります。
訪問診療で行く事が出来る範囲と言うものが設定されております。音羽歯科クリニックを中心に半径16km以内が私の動ける範囲と成ります。音羽歯科クリニックは西は焼津市から東は静岡市清水区興津あたり、北は安倍川を挟んで東の松野に有るグループホーム、西は富厚里に有るグループホームに往診して居ります。
訪問車4台に乗り、訪問歯科医師、訪問歯科衛生士、コーディネーターが1チームとなり急性対応に、口腔ヘルスケアに、ミールラウンドに参加したり、摂食・嚥下指導に動いております。
訪問中のアクシデントの為に車にはAEDを積んでおります。

『歯があるだけでは食べられない』・・・どういう事かと言うと、グループホームとは認知症対象者の居住施設である為に認知症の介護度が進み食卓に並べられた食事を食べ物と認識できなくなる事が有り、箸を持っても食べ物で遊んでしまい口に運べなくなる場面を良く見ます。この時には食事の介助が必要だと思います。入れ歯が有っても外してしまったり、入れ歯を異物に感じてしまうなどは私達がその場で治療し、入れ歯を使う事の利点などを優しい言葉で教えてきます。急性期医療対応の病院から命を助けられて退院したばかりの患者さんには入れ歯の使用を一時やめてもらう事も有ります。

歯科医師・歯科衛生士の行う専門的口腔ヘルスケアには口腔衛生管理(口腔衛生の維持)と口腔機能管理(摂食嚥下の維持向上・構音機能の維持向上)の二つが有ります。
介護度が進むと口腔ケアをする時の患者さんに対する立ち位置が大切になります。食事の後に食渣が溜まって居る事が多くそれを誤嚥しない様にベットでやるなら背中を60度に起こしてやります。背中を起こせない時には側臥位にして口腔内の食渣を搔き出せる様な体位でやる事も有ります。

口腔リハビリテーションには、口腔機能の維持改善と摂食嚥下訓練・食事指導が有ります。時に色々な施設で呼ばれて皆さんと昭和の歌謡曲を歌うひと時を過ごす事も有ります。歌を歌う・大きな声で話をする事は声帯周囲筋、嚥下に必要な筋肉を鍛えると言う報告も有ります。音羽歯科訪問部スタッフの作った団扇を持って行って歌わなくても団扇を振って仲間に加わる事は、これからの生き方を変える意味でも大事な事だと思う。

口腔内環境の改善には、次の様な利点が有ります。
1)食欲増進➤健康な体を取り戻す。
2)家族はじめ友人関係に自信が湧く➤コミュニケーションに自信を取り戻す。
3)口腔内の歯周病菌は唾液や血液に乗って全身に流れ全身疾患を引き起こすと言う文献もある。➤脳梗塞・心筋梗塞・誤嚥性肺炎・心内膜炎・動脈硬化・糖尿病など

摂食嚥下が出来る様に成ると次に考えるのが栄養です。『日本人の推定エネルギーの必要量』は身体レベルの少ない人(ほぼ寝たきりの状態の人)で男性で1800kcal、女性で1400kcalを摂らないと痩せていく。
高齢者の食事のポイントとしては???
1)1日3食規則正しい食事を心掛ける事
2)人によっては完食出来る量が減って来た時には、10時と15時に間食で不足の栄養をやる事
3)主食・主菜・副菜を揃えて栄養バランスを良くする事
4)咀嚼・嚥下機能に有った食事形態にする事
5)何はともあれ楽しく食事が出来る環境作りがとても大切な事だと思う。

高齢化率とは、65歳以上の人口を全人口で割ったものを言う。2023年の全世界の高齢化率を見てみると日本が29、5%で世界一の長寿国に成りました。高齢化率21%以上を超高齢社会と呼ぶがこれから益々快適な人生を送る為に訪問歯科の需要が増えて行くと考えます。
音羽歯科クリニック訪問部には、訪問歯科医師・訪問歯科衛生士・コーディネーター・嚥下トレーナー・管理栄養士・ケアマネージャーを常駐して居りますのでお気軽にご相談ください。

音羽歯科クリニック訪問部事務局:電話➤054-277-9077
                 メール➤otowashikahoumon@gmail.com

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