シロナ社の歯科用 CT 診断装置「Axeos(アクセオス)」の導入
AXEOS は「高画質」「低被ばく」「デジタルソシューション連携」を踏襲した最新型の C T です。最新のパノラマテクノロジー「DCS センサー」による高画質データを生成することが可能です。
これは断面写真によって歯の根っこの部分や顎の状態などを 3D で確認する装置で、低被曝・短時間での X 線照射はもちろんのこと直径 17cm×高さ 13cm という広範囲の 3D 撮影が可能なので従来の CT より診断がスピーディーにできます。
AXEOS は様々な場面での画像診断が可能になります。
インプラントにおけるガイドの作成
矯正診断におけるセファロ撮影
セレックとの連携
親知らず
骨や顎の状態確認
神経・血管の走行
歯根の膿の大きさ
虫歯の発見
睡眠時無呼吸症候群の診断 など
特に当院で画期的に時短になるのが、インプラント手術時における場合になります。
※クリックで拡大します。
福島原発事故により報道で取り上げられて良く聞く言葉に『シーベルト』があります。シーベルトとは、生体への被爆の大きさの単位のことです。原子力施設で働く人達を除き、一般の人の年間被爆限度量は1ミリシーベルト以下に抑えるべきだと言われています。ミリシーベルトは1000分の1シーベルトです(国際放射線防護委員会より)。
この地球に住んでいて、何もしないでも受けている放射線を『自然放射線』と呼びます。ブラジルのガラバリ市街地の年間自然放射線量が1番高く10.0ミリシーベルト、世界中の年間自然放射線量は2.4ミリシーベルト、日本では平均1.5ミリシーベルトです。
このCTでは歯の検査のみで0.006ミリシーベルト、全歯の検査・顎関節・上顎洞の検査は0.01ミリシーベルト、3次元的に診る歯科用CT(これをコンビームCTと呼ぶ)は0.04ミリシーベルトです。今までのフイルムを使ったアナログ撮影だと数値は4倍から6倍にまで跳ね上がります。つまり、従来のアナログ撮影よりも人に優しいレントゲン装置と言えます。
インプラントの手術が決まるとまず第一段階として患者様のお口全体の状態を正確に把握するために必ず C T 撮影をします。
それを PC 画面に立体画像として再現し、インプラントを埋入する適切な位置や角度・方向を何度もシュミレーションし、確定します。
セレック(CEREC)はシロナ社が開発した CADCAM を使用してセラミックを加工するシステムの製品名です。P C 上で補綴物(被せ物)をデザインし「セレックガイド」を作成した上でセラミックブロックを削ることにより人工歯を院内で作成することができます。
インプラント埋入後の補綴物の作製において、当院に設備しておりますセレックと AXEOS が連携することで更なる効率化が計れます。
こちらも後述の「サージカルガイド」と同様で、従来の補綴物は歯科技工所に「外注製作」を依頼し、長い時間と高い治療費が必要でしたが、セレックは医院内で補綴物が完成します。そのため短時間・低コストで患者様に提供できるシステムです。
セレックによる光学印象採得でインプラント仮歯が即日入れられます
当院ではセレックによる光学印象採得を行っております。従来は型どり、石膏模型の制作、歯科技工所で削り出しと、仮歯を制作するまでにとても時間が掛かりました。しかしセレックでは光学スキャナによる高速スキャンでデータを短時間で取得、デジタルデータを基にミリング(削り出し)を行うため、非常に短時間でインプラント仮歯を制作することができます。また、技工所を経由した従来の方法だと配送から装着までに期間が空くため、環境、気温などによって仮歯の若干の変形があり、かみ合わせに影響することもありましたが、セレックによる仮歯は非常に精度が高く、かみ合わせに影響を与えません。
より確実に・安全かつスムーズにインプラントの手術を実施できるように AXEOS と 3D プリンターを連携させて患者様の顎骨模型を作成します。それを元にドクターや衛生士などのスタッフと術前に様々なシミレーションを何度も行い、インプラントの事前実習も行います。
これまでの CT は撮影する際に、CT の機械に設備されている椅子に座って撮影するため車椅子から降りて座らないといけませんでしたので車椅子の患者様には大変負担をおかけしてしまっておりました。
しかし AXEOS は椅子がないため車椅子の方は車椅子に乗ったまま CT 撮影が可能となりました。
通常のインプラント手術は歯茎を剥離し骨を露出させそこにインプラント本体を埋入していくものなのですが、フラップ手術とは術前にCTなどを駆使してサージカルステント(インプラントを埋入するためのガイドになる物)を作成して、歯茎を剥がさずに予定した位置に正確に埋入しようというものです。
コンピューター上で設定した位置を正確に口腔内に再現するには通常「ステント」というものが作成されます。このステントは口腔内で動いては意味がありませんからどこかに固定源を求めなくてはいけません。
通常は歯、もしくは粘膜に固定させることになります。そしてそのステントに開いている穴にドリルを入れて粘膜の上から直接骨を削ります。これにより、外科手術に抵抗のある患者様の恐怖心を軽減することが可能となりました。
切開や縫合を行わないため、非常に短時間で手術を行なうことができ、切開や糸で縫うことからくる「腫れ」や「痛み」、「出血」が少ないのも特徴です。
ただし、フラップレス手術は、歯肉の上から骨を見ずに行なわれる手術であるため、他のインプラント手術以上に歯科医師の経験や高度な技術が求められ、 CT撮影によるシミュレーションなど事前の念入りな診断が不可欠です。
Merit メリット
切開・縫合の必要が出血・痛み・腫れが少ない
手術時間の短縮化が可能
肉体的・精神的な負担が少ない
ガイドを併用することで手術の確実性が増す
Demerit デメリット
事前の徹底した検査・準備が必要
医師の豊富な知識や経験が必要
顎骨の高さや、神経や血管の通り方によって向かない方もいる
インプラント治療は失ってしまった歯を補うための大変優れた治療方法です。インプラント治療を行うにはインプラントを埋入するための骨の「高さ・厚み」が必要になります。歯周病や、歯を失った状態が長期間経ってしまった場合では、骨が吸収してインプラント手術に必要な骨が足りなくなってしまいインプラントを断られるケースがあります。
インプラント治療は失ってしまった歯を補うための大変優れた治療方法です。インプラント治療を行うにはインプラントを埋入するための骨の「高さ・厚み」が必要になります。歯周病や、歯を失った状態が長期間経ってしまった場合では、骨が吸収してインプラント手術に必要な骨が足りなくなってしまいインプラントを断られるケースがあります。
当院では様々な高難度インプラント治療に対応しております
サイナスリフト(開窓法)
上顎骨の高さが足りない(骨幅が薄い)場合に、上顎洞に頬側側面から直接アプローチして、移植骨や骨補填剤を入れて骨の厚み作る方法です。この治療は移植骨が安定するのを待ってから埋入するため、骨再生期間が 3~6 カ月必要となるので比較的治療期間が長くなります。
ソケットリフト(非開窓法)
上顎骨の高さが足りない(骨幅が薄い)場合に、インプラントを入れる穴から骨補填材を入れ、上顎洞を持ち上げるように骨を造成し骨幅を確保する方法です。この方法であれば歯茎を大きく切開する必要がないため、大きく腫れることもありません。
③GBR 法(骨誘導再生療法)
顎骨や歯槽骨が不十分でインプラント体を埋め込むことができない場合におこなう、歯槽骨や顎骨の再生を促す治療方法です。メンブレンと呼ばれる特殊な膜を入れ、状況によっては骨補填剤を用いて骨を作ったり自家骨(ご自身の骨)を採取し移植して骨の再生を促します。この方法は骨再生期間が 3~6 カ月必要となるので比較的治療期間が長くなります。
又こちらの治療は、インプラント手術前に行うか、インプラント手術と同時に行うかは、骨の吸収の度合いによって異なります。
スプリットクレスト法
直径の骨の幅が狭くてインプラント体を埋入できない場合に、狭い歯槽骨の骨幅を造成又は拡大してインプラントの埋入を可能にする骨造成手術です。
狭くなった骨の部分に切り込みを入れ、骨を広げてインプラントを移植します。骨とインプラント体のスペースには骨補填材を使用して粘膜を縫合し、骨の安定を待ちます。骨の安定が確認できたらインプラント手術をします。この方法によって頬舌的に骨幅の狭い歯槽骨の方でもインプラント体の埋入が可能になります。
ソケットプリザベーション
抜歯後の骨の吸収を防止するために行う処置のことで、抜歯で開いた穴の部分に人工骨などを入れることで骨吸収を最小限に留める歯槽骨温存法です。こちらの処置を行うことで抜歯はするが将来的にインプラントにしたい場合やブリッジなどの支持に利用できたりなど、後々の治療に有効です。