マウスピース矯正の値段相場は?他の装置との比較や費用がかかってしまう例を紹介

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯並びを整える矯正治療です。装置が目立たず、周囲にも矯正していると気づかれにくいことから、近年人気が高まっています。
しかし、従来のワイヤー矯正よりも費用が高いのではないか、具体的にどのくらいの金額になるのかなど、マウスピース矯正の値段が分からず躊躇している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マウスピース矯正の支払い金額の内訳、他の矯正装置との料金比較など、マウスピース矯正の費用に関する詳しい情報を紹介します。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、従来のワイヤー矯正とは異なり、マウスピースを装着することで歯を動かしていく矯正治療です。
日本では、2006年に『インビザライン(invisalign)』が導入され、現在では多くの歯科医院でマウスピース矯正が受けられるようになりました。
では、マウスピース矯正にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、マウスピース矯正の特徴を3つ紹介します。
目立たない透明なマウスピースを装着する
マウスピース矯正で使用するマウスピース型の矯正器具は、透明で薄い医療用プラスチックでできているため、歯に装着してもほとんど周りの人に気づかれることはありません。
ワイヤーとブラケットを装着する従来のワイヤー矯正は、どうしても銀色の金属が目立ってしまいますが、マウスピース矯正であれば見た目を気にすることなく矯正治療が受けられます。
また、マウスピースには金属を一切使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して治療に専念できます。
食事中に外せて衛生的
マウスピース矯正は、食事中や歯磨きのときに取り外すことが可能です。矯正治療を始める前と同じように食事や歯磨きができます。
一方のワイヤー矯正は、自由に着脱ができません。歯と装置の隙間に食べかすや汚れが溜まりやすく、お手入れの際も装置が邪魔になってしっかり磨けないことも多いですが、マウスピース矯正は自分で簡単に着脱できるため、矯正治療で感じやすいストレスを軽減できます。
少ない通院回数で治療可能
マウスピース矯正では、歯並びが整っていく過程に応じて作られたマウスピースを順番につけていくことで、徐々に理想の歯並びに近づけていきます。
つけかえるマウスピースはあらかじめ歯科医院で受け取っておくため、頻繁に通院する必要がありません。
一般的に、マウスピース矯正では大きなトラブルがなければ2〜3ヶ月に1回程度の通院で済みます。学校や仕事が忙しく、なかなか通院する時間が取れない方には特におすすめです。
マウスピース矯正の値段で確認したい内訳
矯正装置の選び方や口の中の状態、矯正する範囲などによって値段は大きく異なりますが、一般的なマウスピース矯正の費用相場は200,000〜1000,000円程度といわれています。
決して安い値段ではないため、きちんとかかる費用の内訳を理解して納得したうえで治療を受けましょう。
ここでは、マウスピース矯正の値段で確認したい内訳をそれぞれ紹介します。
カウンセリング料
マウスピース矯正を始める前に行うカウンセリングにかかる費用相場は、無料〜10,000円前後です。歯科医院によっては、初回無料でカウンセリングが受けられるところもあるため、費用にばらつきがあります。
診察料・診断料
マウスピース矯正では、事前に精密検査を行い、それをもとに最適な治療計画を立てて患者さんに説明をし、同意を得てから治療を開始します。
その際にかかる費用の相場は、10,000〜65,000円程度です。歯科医院によって検査料と診断料が一緒だったり別々だったりします。
マウスピース装置の料金
マウスピース矯正でもっとも費用がかかるのが、マウスピース装置です。400,000〜1000,000円前後が相場となっています。部分矯正の場合は、相場よりも安く済むこともあるため、歯科医師に相談してみるとよいでしょう。
マウスピースは患者さん一人ひとりに合った完全オーダーメイドで、治療終了までの分を治療開始時に制作します。
装置の調整料
マウスピース矯正では、経過の確認やメンテナンスのために定期的な通院が必要です。その際にかかる調整料は、1回につき3,000〜10,000円程度が相場です。予定通りに治療が進まない場合や、矯正途中で虫歯治療をする場合は、マウスピースを作り直す費用がかかることになります。
ただし、治療費に調整料が最初から含まれている歯科医院では、診察のたびに調整料がかかることはありません。
リテーナーの料金
矯正治療が終了したら、歯の後戻りを防ぐためにリテーナーという保定装置をつけます。
保定装置の値段は、10,000〜60,000円程度です。歯科医院によっては、基本料金にリテーナーの費用が含まれている場合があります。
定期健診の料金
リテーナーの装着後は、歯が後戻りしないか定期的に確認する定期健診(保定観察)が必要です。かかる費用の相場は、1回につき3,000〜5,000円程度が相場です。リテーナー自体の料金と同様、歯科医院によっては基本料金に定期健診の料金も含まれている場合があります。
マウスピース矯正と他の矯正装置の料金比較
矯正治療を検討する際、マウスピース矯正と他の矯正装置の料金がどのくらい異なるのか、気になる方も多いことでしょう。
そこでここでは、マウスピース矯正と従来のワイヤー矯正の料金を、それぞれの特徴とともに表で比較していきます。歯列矯正の方法を選ぶ際の参考にしてください。
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | |
---|---|---|
値段 |
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見た目 | 目立たず周囲から気づかれにくい | 表側に装置がついていると目立ちやすい |
治療期間・通院頻度 |
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痛み | 比較的痛みが少ない | 治療開始直後や調整後は痛みが出やすい |
自己管理 | 1日20時間以上の装着を守る必要がある | 取り外せないため自己管理の必要がない |
お手入れ | 食後の歯磨きや装置の洗浄がしやすい | 食べ物が装置に引っかかりやすく歯磨きもしにくいため工夫が必要 |
マウスピース矯正の料金支払い方法
マウスピース矯正の料金支払いには、主に以下の3種類の方法があります。マウスピース矯正に限らず、矯正治療の費用は高額になるため、事前に支払い方法を確認しておきましょう。
現金一括払い
現金一括払いは、文字通り1度に現金で治療にかかる費用の総額を支払う方法です。治療期間が伸びたり調整が必要になったりした場合の費用も最初に払ってしまうため、最初にかかるお金は大きくても最終的に割安になることもあります。
なお、治療開始前の一括払いはトータルフィー制とも呼ばれます。現金以外にも銀行振込や電子マネーなどが利用できる場合もありますが、歯科医院によって支払い方法が異なるため、カウンセリングで聞いてみるのもよいでしょう。
ただし、高額な矯正治療の費用を現金一括払いする方はそれほど多くありません。一括で支払えない場合、他にどのような支払い方法があるのか歯科医院に相談してみてください。
都度払い
通院のたびに必要な治療費を支払うのが、都度払いといわれる支払い方法です。
それほど難しくない症例であれば、通院回数が少なくて済むため、現金一括払いのトータルフィー制よりも安く治療が受けられる可能性があります。
医療ローンやクレジットカード払い
1回の支払額をできるだけ安く抑えたいときは、医療ローンやクレジットカードでの分割払いがおすすめです。
歯科医院で利用できる医療ローンは、デンタルローンといわれる歯科医院限定のもので、5年などの長期間にわたる分割払いができます。クレジットカードで支払うよりも低い金利で融資を受けられることから、月々の支払額を抑えつつ、できるだけ余分な費用をかけたくない方に向いています。
治療を受ける歯科医院が提携している医療ローンの種類によっては、一部を現金で支払ったり、ボーナス払いを併用したりすることも可能です。
お手持ちのクレジットカードで分割払いにする場合は、決済額に応じてポイントが還元されることもありますが、医療ローンよりも金利が高くなることがほとんどであるため注意しましょう。
マウスピース矯正で費用がかかってしまう例
通常でも比較的高額な費用がかかるマウスピース矯正ですが、場合によってはさらに費用がかさむ可能性があります。ここでは、その具体的な例を3つ紹介します。
治療期間が長引いてしまう
マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着時間を守らなかったり、虫歯や歯周病の治療が必要になったり、マウスピースの交換を忘れたりした場合に、予定通りに歯が動かず治療期間が長引いてしまうことがあります。
その結果、新しくマウスピースを作り直さなければならなくなり、最初の予定よりも費用が多くかかってしまうことがあるため注意が必要です。
全体矯正が必要なケース
基本的には患者さんの予算や希望に合わせて治療範囲を決定しますが、部分矯正ができる範囲や症例はある程度決まっているため、患者さんが前歯だけの部分矯正を希望したとしても、歯科医師に全体矯正が必要だと判断されるケースもあります。
予算の都合で部分矯正を希望する場合は、まずはカウンセリングで部分矯正が可能かどうか相談してみることをおすすめします。
歯並びの状態によって大きく動かさなければならないケース
叢生や出っ歯などの不正咬合の治療では、抜歯が必要なケースや歯を大きく動かさなければならないケースも少なくありません。
そのような場合、手術費用がかかったりワイヤー矯正との併用が必要だったりすることから、通常よりも費用がかかってしまうこともあります。
マウスピース矯正は医療費控除が利用できる
マウスピース矯正で医療費控除が利用できるのは『歯列矯正が必要である』と認められる場合です。美容目的でなく、歯の機能の問題を改善するために矯正治療を受ける場合は、マウスピース矯正でも医療費控除が利用できます。
では、歯並びの見た目が気になって矯正治療が受けたい場合は医療費控除の対象にならないのかというと、そうとは言い切れません。
患者さん自身が美容目的での矯正治療を検討している場合でも、検査で噛み合わせなどの問題が見つかって医療費控除の対象となるケースもあるため、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。
マウスピース矯正の流れ
最後に、マウスピース矯正の一般的な治療の流れを紹介します。歯科医院での治療は緊張してしまうという方も多いため、具体的にどのように治療が進んでいくのか事前に把握しておくと安心です。
カウンセリング
歯並びや噛み合わせのお悩みを相談し、矯正治療のおおよその説明を受けます。その後は歯科医師が口の中の状況を簡単に診察します。
検査・診断
矯正治療を受けることを決めたら、次は検査と診断です。
レントゲンや歯科用CT、口腔内カメラなどで口の中を細部にわたって撮影し、検査後の診断によってどのように治療を進めていくか話し合います。
虫歯や歯周病の治療や親知らずの抜歯が必要になった場合、そちらの治療を優先する可能性があります。
治療開始
精密な歯型データを基に、マウスピース型の矯正装置を作ったら治療開始です。治療の過程に応じてマウスピースを交換しながら、治療終了を目指しましょう。
定期健診・メンテナンス
治療中は、定期的に通院して治療の進み具合や口の中のトラブルの有無をチェックします。
予定した治療計画で作成したマウスピースをすべて使用し、想定した歯並びに整ったら、噛み合わせの検査を経て矯正治療を終了します。治療終了後はメンテナンスのために通院するのがおすすめです。
まとめ
歯科医院によって異なりますが、マウスピース矯正にかかる総額の相場は、全体矯正で400,000〜1000,000円程度、部分矯正で200,000〜450,000円程度となっています。
決して安い値段ではないため、マウスピース矯正を検討する際は、ほかの矯正治療とも比較しつつ、内訳をきちんと確認することが重要です。
また、歯科医院では矯正治療の費用を支払う方法もいくつか用意しています。自分のペースに合った無理のない方法で料金を支払うようにしましょう。
静岡鉄道音羽町駅から徒歩1分の場所にある『音羽町歯科クリニック』では、マウスピース矯正の中でも安全性が高いといわれる『インビザライン』を用いた矯正治療を行っております。
また、3Dデジタル口腔内スキャナ『iTero』を採用し、患者様にもわかりやすくご説明をいたします。
軽度から中程度の不正咬合にも対応し、患者様一人ひとりに最適なプランをご提案いたしますので、ぜひお気軽に『音羽町歯科クリニック』までご相談ください。