親知らずを抜いた方がよいか
Kranke Eさんからの質問「先生、親知らずって抜いた方が良いのですか???」
『親知らず』って、何だろうか??
本来お口の中に歯の数は前から数えて奥まで7本、左右上下合わせると28本の歯が機能している。
しかし原始時代は、狩猟をして生肉を食べていた為、良く噛まなければ飲み込めないし、ひえ・あわなどの穀物も火を使って今ほどに調理が出来なかった事も有り、咀嚼回数がだんぜん多かった。
ちなみに大昔、卑弥呼の時代には1回の食事に4000回も噛んだと推測されている。
現代人は、調理法が良く柔らかくした食事が多い為、1回の食事で飲み込むまでに600回だと言われている。
その為、ここで顎の大きさに差が出る。原始人の顎は大きく奥の8番目の歯も十分機能していた。
現代人の顎は、噛む回数が少ないので退化傾向にあり、上品でコンパクトになってきた。
コンパクトな現代人の顎に8番目の歯は、出るスペースを失い、なかなか出て来なかったり、斜めや横になって出て来る。この歯を俗に、親の知らない間に出てくるという事で『親知らず』と呼ぶのだね。
それでは、親知らずが出て来る事によるトラブルを考えてみよう。
最後方臼歯で有る為に、ブラッシング・クリーニングがしずらいので腫れ易い。
後方から斜めに出る時に歯全体を前に押すので、噛む力が加わり歯並びが悪くなり易い。
上の親知らずは、受ける相方が居ないとだんだん下に降りて来る。しまいに下の歯茎に当たり、傷つけてしまう。
大抵は、『腫れた・痛む・噛めない・口が開かない』と言って来院する。
親知らずの治療法は???
まず『腫れ・痛む・噛めない』で来院されたら、レントゲン診査にて親知らずの方向・埋入部位・かみ合わせの関係などチェックする。
次にお口が開くかどうかのチェックもする。
その後消炎処置(炎症を早く引かせる為の処置)をする。
その日は、抗生剤・消炎・鎮痛剤を処方します。
消炎後腫れ・痛みが取れたら、抜歯をして良いかどうかをお聞きします。
抜きたくないのに無理には、抜きません。
しかし抜歯する事に成れば、局部麻酔(伝達麻酔を使う事も有る)で痛くなく、腫れもない様に抜く事が出来ます。
大体処置時間は、15分程度で終わりますが、ここは良く話し合いましょう。