睡眠薬
『夜眠れないので内科で睡眠薬をもらって長く使って居ますが、大丈夫でしょうか???』と言う質問に答えるよ。
成人の10人に1人が不眠症に悩むと言われている。それにつれて医療現場での『睡眠薬』の使用が増えているのね。
そこで『睡眠薬』を安全に使う為のガイドラインが厚生労働省研究班と日本睡眠学会が作成したので紹介するね。
この特徴は『症状の改善に伴い睡眠薬の辞め方』を示した事
厚生労働省研究班による一般市民が抱える『睡眠薬』への不安を挙げると
依存性が有りやめられなくなる・・・・・・・・44%
効果がなくなる(薬の量が増えて行く)・・・・23%
翌日まで眠気が残る・・・・・・・・・・・・・13%
大量服用すると死んでしまう・・・・・・・・・12%
他剤との飲み合わせが心配・・・・・・・・・・11%
『不眠症』とは、何だろう???
夜眠れないだけならこうは呼ばれないのね。不眠で心身の状態が悪化し、集中力低下など昼間の生活に支障が出る事によって初めて『不眠症』と呼ぶと国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の三島和夫部長は言う。
この様な時に適度な運動や規則正しい食生活、就寝前のカフェイン飲料を避けるなどしてもなお不眠が1ヶ月以上続く様なら『睡眠薬』を処方する事が考慮される。
『睡眠薬』は、副作用を最小限にする為に就寝直前に飲み、複数の睡眠薬の併用は避ける様に強調している。
薬の辞め方については、『不眠症』が治ったと判断する基準は夜の不眠が有る程度改善し、日中の体調が良くなったと感ずる時としている。
『昨夜何時間しか眠れなかった』と言うより、たとえ3時間でも昼間の起きている時の『活力』が戻ったと言う方が大事だと言う。
薬の減量は、治ったと判断した時点で1/4減らし1~2週間様子を見てまた1/4減量するという風に、時間をかける事で不眠のぶり返しなどの不快な症状を予防できると言っている。
厚生労働省がなぜこの様な指針を打ち上げたかと言うと、背景に『睡眠薬』の増加が有るのね。
患者の1日当たりの服用量、多剤併用率(他の沢山の薬を合わせて飲んで居る割合)が増えて来ている事を意味する。
出されるがままに漫然と飲み続ける人がいると思う。
是非やめる時には、急激にやめて不眠症を慢性化させない様に少しずつ時間をかけてやめて行くと良いのね。
『良い眠り』の為の心得として
寝室内で音楽を聴いたり本を読んだりして眠れずに苦しんでいるより眠くなるまで布団に入らない。
長く眠るよりも睡眠の密度を濃くすることが必要・・・たとえ短くても起きた時にさわやかな目覚めが有る。短期型睡眠スタイルの人は、短時間に深い眠りに入る為にそれだけで脳は休まっている。
昼寝をするなら午後3時までにして30分以内が良い。
毎朝同じ時間に起床すると良い。
寝酒は夜中に目を覚ましやすいので良い睡眠には、逆効果になる事も有る。
まあ、眠れない日々が続くと不安になる物だけれど、その原因になったいきさつを思い起こし心の整理をしてストレスを抜く事の方が、対症療法の『睡眠薬』を飲み続ける事より良いのではないだろうか???