インビザラインとワイヤー矯正はどっちを選ぶべき?早さ・安さ・仕上がりの違いなど徹底比較!
「歯列矯正をしたいけどインビザラインとワイヤー矯正はどっちがいい?」
「インビザラインとワイヤー矯正の違いって?」
「自分にはどっちが合っているのかわからない」
歯の矯正を考えたときに、インビザラインかワイヤー矯正のどちらがいいかと迷っている方も多いでしょう。
結論から言うと、インビザラインとワイヤー矯正のどちらがいいかは人によって異なります。
それぞれメリットとデメリットがあり、希望や歯並びの状態によっても適した矯正方法は変わるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
この記事では、インビザラインとワイヤー矯正の違い、それぞれのメリット・デメリット、おすすめな人などを紹介します。
インビザライン矯正とは
インビザライン矯正とは、3Dデータをもとに作られるオーダーメイドのマウスピース型矯正装置(アライナー)を使った矯正治療方法です。
事前に立てた治療計画に合わせて、10日〜2週間ごとにマウスピースを交換して歯を動かしていきます。
インビザライン矯正では透明のマウスピースを使うため装着しても目立ちにくく、矯正中であることを気づかれにくいことがメリットです。
また、取り外しができるので食事や歯磨きの際に邪魔にならず、お口の中を衛生的に保ちやすいという特徴もあります。
少しずつ歯を移動させるためワイヤー矯正に比べて痛みも出にくく、近年多くの方の支持が集まっている矯正方法です。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)は、ワイヤーとブラケットを使用する矯正方法です。
歯に取り付けたブラケットにワイヤーを通し、力を加えることで歯を移動させます。
ワイヤー矯正は歴史の長い矯正方法で症例数が多く、細かな調整ができるため難しい症例にも対応していることが特徴です。
ワイヤー矯正で使用されるブラケットには金属製のメタルブラケットの他、目立ちにくいセラミックやプラスチック製のブラケットもあります。
インビザラインのメリット・デメリット
まずは、インビザラインのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
インビザラインには、以下のようなメリットがあります。
- 矯正装置が透明で目立ちにくい
- 取り外しが可能
- お口の中の衛生状態を保ちやすい
- ワイヤー矯正に比べて痛み・違和感が少ない
- シミュレーションで事前に治療後の歯並びを確認できる
- 金属アレルギーのリスクがない
- 同時にホワイトニングができる
インビザラインの大きな特徴が、矯正装置の目立ちにくさです。マウスピースは薄く透明な素材でできているため、少し見ただけでは矯正装置を装着しているとわからないほど自然な見た目になります。
マウスピースは取り外し可能で、食事や歯磨きのときには自分で簡単に取り外せるため、お口の中をいつも清潔に保ちやすいことも魅力です。
また、インビザラインは何十枚ものマウスピースを使って段階的に歯を動かしていくため、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が起こりにくいといわれています。
「クリンチェック」と呼ばれる3Dシミュレーションソフトを使い、事前に治療後の歯並びを画像で確認できることもメリットです。治療を始める前から理想の歯並びがわかるので、モチベーションを保ちながら矯正治療ができます。
さらに、インビザラインは金属を使用しないため、金属アレルギーの方も安心して治療可能です。インビザラインのマウスピースを使ってホワイトニングをすることもできます。
デメリット
メリットの多いインビザラインですが、以下のようなデメリットもあります。
- 長時間マウスピースを装着する必要がある
- 適応症例が限られる
- 紛失してしまう可能性がある
インビザライン矯正では、マウスピースを1日20〜22時間ほど装着する必要があります。装着時間を守らないと歯が動かず、治療計画通りに進まなくなってしまうため、自己管理が重要です。
また、インビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べると適応症例が限られます。
重度の不正咬合(叢生・出っ歯・受け口・過蓋咬合など)、重度歯周病、抜歯本数が多い症例、インプラントが入っている症例の場合、インビザラインでの矯正ができない可能性があります。
透明で目立ちにくいインビザラインは、しっかり管理しておかないと失くしてしまう可能性があるため、注意しましょう。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
続いて、ワイヤー矯正のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
ワイヤー矯正のメリットは、以下の通りです。
- 幅広い症例に対応している
- 治療期間が短くなるケースが多い
- 歴史が長い方法のため症例数が豊富
- 取り外す手間がかからない
ワイヤー矯正は、幅広い歯並びの治療ができることが特徴です。ほとんどすべての歯並びの治療ができ、インビザラインでは難しい難症例の治療も可能です。
また、ワイヤー矯正はインビザラインよりも強い力で歯を動かすため、治療期間が短くなるケースも多いです。
これまで長い歴史のある矯正方法のため症例数が多く、実績ある矯正方法であることもメリットでしょう。
ワイヤー矯正は患者さん自身での取り外しや装着はできないため、取り外しの手間を感じることもありません。
デメリット
ワイヤー矯正のデメリットを見てみましょう。
- 矯正装置が目立ちやすい傾向にある
- 歯磨きがしにくくなる
- 食事に注意が必要
- 痛みや違和感が起こりやすい
ワイヤー矯正は、矯正装置が目立ちやすいことがデメリットです。特に金属のブラケットを使った表側矯正の場合は見た目が気になってしまうことがあるでしょう。
白いブラケットやワイヤーを使うこともでき、装置が舌側にくる裏側矯正のような目立ちにくいワイヤー矯正もありますが、費用が高くなる傾向にあります。
矯正装置をつけると歯磨きの難易度が上がり、虫歯や歯周病のリスクが高くなる点にも注意が必要です。食事にも注意が必要で、硬いものや粘度の高い食べ物はできるだけ避けた方がいいでしょう。
また、矯正装置のデコボコがお口の中の粘膜を傷つけて痛みが出たり、違和感が出ることもあります。
安い・早いのは?インビザラインとワイヤー矯正の違い
インビザラインとワイヤー矯正には、以下のような点で違いがあります。
- 適応範囲の違い
- 見た目の違い(目立ちにくさ)
- 取り外しできる・できないの違い
- 治療費の違い
- 治療期間や通院回数の違い
- 痛みの違い
- 自己管理のしやすさの違い
- 仕上がりの違い
- 虫歯・歯周病のリスクの違い
- 金属アレルギーのリスクの違い
ここからは、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
1:適応範囲の違い
インビザライン矯正とワイヤー矯正では適応範囲が異なり、ワイヤー矯正の方が幅広い症例に対応しています。
インビザラインは基本的に、軽度〜中等度の不正咬合に適した方法です。
複雑な歯の形・歯並びの場合や、大きく歯を移動させる必要がある場合、重度の症例の場合、インプラントが入っている場合などは、ワイヤー矯正が選択されることが多いでしょう。
2:見た目の違い(目立ちにくさ)
インビザラインの場合、薄く透明のマウスピースを使用するため、矯正装置がほぼ目立たないことが大きな特徴です。そのためインビザラインは目立たずに矯正したい方に選ばれています。
ただし、ワイヤー矯正の場合でも、歯の裏側(舌側)に矯正装置を装着する裏側矯正であれば、目立たずに矯正が可能です。
3:取り外しできる・できないの違い
インビザラインのマウスピースは取り外し可能ですが、ワイヤー矯正は患者さん自身での取り外しや装着はできません。
矯正装置を取り外しできると、食事や歯磨きがしやすいというメリットがあります。ワイヤー矯正の場合、ワイヤーやブラケットに食べ物が詰まったり汚れが溜まりやすく、口腔ケアが大変になりがちです。
紛失には注意する必要がありますが、普段通りに食事や歯磨きをしたい方や、口腔内を清潔に保ちたい方はインビザラインが向いているでしょう。
4:治療費の違い
インビザラインとワイヤー矯正では、インビザラインの方が安く済む傾向にあります。
以下で、それぞれの方法の費用相場を紹介します。
インビザライン | ワイヤー矯正 |
---|---|
・部分矯正:20万〜65万円ほど ・全体矯正:70万〜120万円ほど |
・部分矯正:20万〜70万円ほど ・全体矯正:60万〜150万円ほど |
なお、矯正治療は基本的に自由診療であり、クリニックによっても費用が異なるため事前に確認しておきましょう。
5:治療期間や通院回数の違い
インビザライン治療期間や通院回数の違いを見てみましょう。
インビザライン | ワイヤー矯正 | |
---|---|---|
治療期間 | ・部分矯正:6ヶ月〜1年ほど ・全体矯正:2〜3年ほど |
・部分矯正:6ヶ月〜1年ほど ・全体矯正:1〜3年ほど |
通院回数 | 1〜3ヶ月に1回程度 | 月に1回程度 |
治療期間に大きな差はありませんが、歯並びに大きな乱れのあるケースでは、ワイヤー矯正の方が治療期間が短くなることが多いです。
通院回数はインビザラインの方が少なく、忙しくて頻繁に歯科医院に通うことが難しい方も無理なく矯正治療を続けやすいでしょう。
6:痛みの違い
痛みの感じ方には個人差があるものの、インビザラインの方が痛みが出にくい傾向にあります。
インビザラインはマウスピースの交換時に軽い圧迫感や違和感を感じることがありますが、痛みは比較的少ないです。
ワイヤー矯正は歯科医院での調整時に痛みを感じることが多く、特に調整後は数日間痛みが続く場合があります。
また、矯正装置がお口の中の粘膜に当たって痛みを感じたり、口内炎ができたりすることもあります。
7:自己管理のしやすさの違い
自己管理のしやすさについては、インビザラインとワイヤー矯正で大きな違いがあります。
取り外しができるインビザラインの場合、1日20〜22時間の装着時間を自分で管理しなければいけません。装着時間を守らないと歯が動かないため、しっかり自己管理ができる方に向いています。
一方、ワイヤー矯正は矯正装置の取り外しができないため、自己管理の手間は少ないと言えるでしょう。
8:仕上がりの違い
インビザラインとワイヤー矯正はどちらも歯並びの矯正に効果的で、指示通りに治療を進めれば、基本的に仕上がりに差はありません。
ただし、矯正治療の仕上がりは歯科医師の知識や技術、熟練度によって変わってきます。
どちらの方法を選択する場合でも、知識と技術を持った歯科医師による治療を受けることが大切です。
9:虫歯・歯周病のリスクの違い
インビザラインの場合、食事や歯磨きのときにはマウスピースを取り外せるため口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病リスクが低いことがメリットです。
ワイヤー矯正は矯正装置を付けたままになるためブラケットやワイヤーの周りに食べ物が詰まりやすく、歯磨きの難易度も上がることから、虫歯や歯周病のリスクが高くなる傾向にあります。
虫歯や歯周病になると矯正治療を中断して治療しなければならなくなってしまうため、口腔内を清潔な状態に保つよう心がけましょう。
10:金属アレルギーのリスクの違い
インビザラインは透明なプラスチック製のマウスピースを使用するため、金属アレルギーの心配がありません。
ワイヤー矯正の場合、アレルギーを起こしにくい「チタン」などのような素材もありますが、ごく一部の方はアレルギー症状が出てしまうことがあります。
インビザラインとワイヤー矯正どっちがおすすめ?
ここでは、インビザライン・ワイヤー矯正、それぞれのおすすめな方を紹介します。
インビザラインがおすすめな方
インビザラインは、以下のような方におすすめです。
- 矯正治療中の見た目が気になる方
- 自己管理がしっかりできる方
- 普段と同じように食事や歯磨きがしたい方
- 通院回数を少なくしたい方
- 金属アレルギーが心配な方
インビザラインは透明で目立ちにくいため、周囲に気づかれずに矯正したい方や人前に出る機会の多い方に選ばれています。
ワイヤー矯正がおすすめな方
ワイヤー矯正がおすすめな方は、以下の通りです。
- 重度の不正咬合や骨格に問題がある方
- 自己管理が苦手な方
- 定期的な通院ができる方
重度の症例の場合、インビザラインでの治療が難しいケースが多いため、ワイヤー矯正が選択されます。常に矯正力がかかっている状態になるため、自己管理が苦手な方も矯正治療を継続しやすいでしょう。
インビザラインとワイヤー矯正は併用可能?
インビザラインだけでは治療が難しい症例の場合、ワイヤー矯正を併用したコンビネーション矯正(ハイブリッド矯正)を行うケースもあります。
併用することで適応症例の幅が広がり、治療期間を短くできます。
ただし、ワイヤーやブラケットを使用するため目立ちやすいことがあり、治療費が高くなりやすい点には注意しましょう。
まとめ
インビザラインとワイヤー矯正にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが向いているかは患者さん一人ひとりの希望や歯並びによっても変わってきます。
2つの方法の違いを知ったうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
音羽歯科クリニックでは、患者さんのご要望やお悩みに合った治療を行うため、さまざまなタイプの矯正装置をご用意しています。
インビザラインとワイヤー矯正のどちらが合っているかわからない方、どちらがいいか迷っている方はぜひお気軽にご相談ください。