あなたの癌はがんもどき???
これは『患者よ、がんと闘うな』の著者、慶応大学医学部講師の近藤誠医学博士の著書の題名なのね。
内容は、いつも音羽歯科で話している事を科学的に裏付けるデータが載っていたので紹介する。
『いま、病院の検査などでがんと告示された患者さんのがんのほとんどは死に至る進行性のがんではなく、放っておいても大丈夫、もしくは大きくなっても何年も大丈夫ながんもどきてある。』と言い切っている。
『がんと言うと、どんなものでもそのままにしておくと大きくなって転位をおこし死んでしまうと思われていた。だからこそ早期発見、早期治療が必要でそうすればがんは助かると考えられていた。』 ところがこれは間違いだと指摘している。
『がんというものは、ほとんどががんもどきであり進行性のがんはほんのわずかで、がんかどうかの見分け方も小さい病巣では、専門の病理医(取り出した病巣を顕微鏡でがんかどうかを調べる医者の事)でも分からない。』と書かれている。
『がんで死に至るのは、転位するがんや進行性のがんだけで、他は直接がんが原因で死には至らない。しかも転位するがん、進行性がんは、発見された時にはすでに転位している可能性が高く、それを早期発見で取り除いても取りきれず、再発と言う形で襲ってくる。
おまけにメスを入れた事によってかえって飛び散って転位する恐れが高くなる。』と言う。
『つまり早期発見で助かったと言う人の話を聞いて納得していたのは、実は、はなからそれはがんもどきだったからだ。』
その根拠を一つを紹介すると
(米国コネチカット州における乳がん発見数と死亡数の推移)
NewEnglandJournalofMedicine:1992;327:319
内容はグラフで書かれているが、簡単に要約すると、1940年から1988年までの乳がん発見数と乳がん死亡数との関係を表している。
検診による早期発見数は、1940年女性10万人あたり55人ほどだったものが1988年には100人に達するほど右肩上がりに増え続ける反面、死亡者数は1954年をピークにずっと変わらない事から、発見されたがんのほとんどが進行がんではなく前癌状態(がんの手前の状態の事)と結論づけていた。この事は、他のがんにも同様のデータが出ていた。
この本には、日本の医療制度の欠点に付いてもはっきりと触れられていたが、ここでは割愛するね。
丹羽免疫研究所所長の丹羽博士の言葉を思い出す。
『進行がん、末期がんは、がんの方が人間より強く、抗がん剤でがんを殺そうとしたら間違いなく人間の方が先に苦しんで死んでしまう。これは世界中のどこでも、今の西洋医療が絶対に超えられないハードルなのです。』
つまりは、がんを通告されても食事に気をつけ、生き方を変えて毎日を楽しく暮らす事の方がとても大事だと言う事なのね。