緑茶の老化予防効果
日本人の平均寿命は1984年に男女とも世界一になった。今年は3月11日に起こった東北大震災の影響か平均寿命は下がってしまったが、ここ数年は女性は世界1位、男性も上位を維持している。
日本人が『長寿』を手に入れたが最近『あまり長生きしたくない』と考えている人が増えているそうだ。
理由を聞くと親の介護などを経験し、自分が認知症や寝たきりになったらどうしようと思うからだそうだ。
認知症の患者数は増加傾向にある。特にアルツハイマー型の認知症が増加しているのね。
アルツハイマー病の原因はまだ究明されていないが最大の危険因子は加齢であると言う。
静岡県立大学薬学部准教授海野けい子先生の研究報告が有ったので紹介するね。
脳の老化を予防する事は認知症予防の第1歩と考えられる。
脳の老化には食事・運動・ストレスなどの生活習慣が大きく影響する事から我々は食事由来の成分から脳の老化を抑制できる物質を見出す事を試みた。
人の脳の老化兆候と良く似た特徴を示す実験動物(マウス)を用い、脳機能への影響を検討した結果、緑茶中に含まれるカテキン(EGCg)が脳の老化を抑制する作用が有る事を見出したと言う。
このカテキンは緑茶として摂取しても効果が有り、また中高齢から摂取し始めても効果が有ると言う。
実験は『マウスの脳の加齢変化について』
結論は若齢マウス(若いねずみ)は高齢になると脳の前頭部が委縮し学習・記憶能力が低下する。
そこで緑茶カテキンを含む水を飲ませたマウスと普通の水を飲ませたマウスを比較追跡すると『緑茶カテキンを含む水を飲んだマウス』の群れが脳の委縮と脳機能低下が抑制されていたと言う。
前頭部の委縮がほとんど無いそうだ。
ここで実年齢よりとても若く見える人と数段年老いて見える人との差はどこに有るかを考えて見ると、人間本来だれも持っている遺伝子の中に何かのきっかけがないと目を覚まさない遺伝子が有る。
以前も話したように緑茶カテキンには抗酸化作用が有り、身体の細胞に出来た傷を修復する作用も有るのだねぇ。
だから食後と言わず1日数杯の緑茶を飲む事は、ガンの予防だけで無く脳の老化予防にもなっていると言う事だね。
それでは緑茶に含まれる成分とその効能について触れて見るね。
それを『長寿遺伝子』と呼ぶ。
これについては以前NHKスペシャルでも放送されている。
『長寿遺伝子』が目を覚ますきっかけになっているのが『飢餓』だと言う。
現代社会の飽食時代に生きる私達には、故意にやるしか方法がない。
しかし他の方法はないだろうかと探ると『長寿遺伝子をONにするレスベラトロール』と言う報告を見つけたので書き込むね。
レスベラトロールは、ブドウやピーナツの薄皮などに含まれるポリフェノールの一種なのね。
1997年アメリカ科学誌『Science』に抗ガン作用が報告されて以来、『レスベラトロール』の機能性について様々な研究が進められてきた。
なかでもハーバード大学、シンクレア教授らの『ネズミの寿命延長効果の研究』が英国科学誌『Nature』に発表された事により注目を集めるようになってきた。
2009年には、『アカゲザルでのカロリー制限による長寿遺伝子の活性化の働き』(Science,2009年)によるとカロリー制限が長寿遺伝子をONにしたと言う。
その結果長寿遺伝子OFFのアカゲザルに比べしわや抜け毛などの外見、年齢関与疾患の非発症率(がん・糖尿病・血管疾患・脳萎縮に罹る率が断然低かったと言う事)、生存率にも大きな差が現れた事が発表されていた。
その後2011年11月には、『レスベラトロール』がヒトにおいても『長寿遺伝子』を活性化し、さまざまな健康効果を示す事が発表された。
(CellMetabolismVol.14issue5Pages612-622,Nov.2011
この他にも『レスベラトロール』には、乳がんの予防・歯科の分野でもドライマウスの改善効果が報告されている。
実は私も飲んで居るのね。
音羽歯科にも置いて有りますのでお気軽に音羽スタッフにお声を掛けて下さい。