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理事長コラム

コレステロール値の最近の考え方について

『コレステロールとは、何ですか???』と言う質問に答えるよ。
コレステロールは食事から摂られている様に思えるが、三分の二は体の中で作られるのね。

肝臓はじめ体内のさまざまな臓器で作られている。

毎日一定量が合成され足りない分が食事から取り入れられて、小腸から吸収される。

コレステロールは身体にとって必要不可欠な物で細胞膜を作る材料となる。

コレステロールが低くなると細胞膜が壊れやすくなり『脳卒中』のリスクが高くなると言う。また免疫力が低下して病気に対する抵抗力が弱ったり、神経伝達に障害が出たり、消化不良を起こして下痢をするなどの身体の不調を引き起こすと順天堂大学医学部免疫学教授の奥村康先生が述べている。

年を重ねるにつれてコレステロール値を気にし始める様に成る。状況によっては下げる薬を飲まされる事が常識とまでになってしまった。

ここでなぜコレステロールが高いといけないと言う事になったのかを調べると1913年ロシアの病理学者ニコライ・アニチコフの実験による。『ウサギに大量のコレステロールを投与してコレステロールの沈着により動脈硬化を起こさせたが、これによりコレステロールが動脈硬化の原因だと発表した。』この発表の問題点は、草食動物のウサギは、元々コレステロールを多く含む肉類や魚類を食べない。それを無理に酸化したコレステロールを食べさせた事とウサギを人間に当てはめても人間にはコレステロールを多く含む物を食べても恒常性を保つ機能が有り、健康であればコレステロール量は一定に保たれるのでウサギのデータをそのまま人間に当てはめるのは無理があると言う。

また1970年代のアメリカのヘグステッドらが『食品中のコレステロールが100mg増加すると血液中のコレステロールが6mg/dl上がる。』と提唱して長い事、各国で採用されていたと言う。

昔は、総コレステロール値を240mg/dl以上が高コレステロールの基準だった。しかし1996年に総コレステロール値220mg/dl以上と数値を20mg下げている。

総コレステロール値は低ければ低いほど良いと考えられていた。総コレステロール値は善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の合計を言うのね。悪玉は、血管を通じて体の組織に必要なコレステロールを運んでいる。(運び屋さん)善玉は、余分なコレステロールを肝臓に回収する。(回収屋さん)悪玉が血管を通じて体の組織に必要なコレステロールを運び善玉が余分なコレステロールを肝臓に回収するというどちらも重要な役割をしている。だから善玉・悪玉と呼ぶことがおかしいと奥村康先生は、言う。

日本動脈硬化学会では、悪玉が140mg/dl以上が高LDLコレステロール血症で、善玉が40mg/dl以下が低HDLコレステロール血症として脂質異常症として診断基準のガイドラインにしているそうだ。

コレステロール値が高いのが問題にされて居るのは、心筋梗塞の危険を重視する心臓の専門医(日本動脈硬化学会など)の意見が強く反映された結果だという。日本動脈硬化学会も2007年に多少の基準変更をして、少しずつ見解が変わってきている様だ。

ここでコレステロール値は低いほど良いと言う考え方をくつがえす疫学調査を紹介するね。
①大阪府守口市民センター辻久子氏らの1997年の同市で検診を受けた16461人を対象にした疫学調査の結果は、高コレステロール血症の因子の有る人の方が5年後の死亡率がむしろ低く、男性はコレステロール値が低くなるほど死亡率は高くなっていた。女性ではコレステロール値が最も低いグループと高いグループで死亡率が高くなっていた。結論として『男女ともにコレステロール値が240mg/dl~260mg/dlの人が最も死亡率が低い。』という報告が載っていた。
②茨城県の調査では、40歳から79歳までの96000人を対象に5年間コレステロールとがんの因果関係を追跡した。結論は『がんによる死亡は、コレステロール値が160mg/dl未満で最も多く、240mg/dl以上で最も少なかった。』となっていた。
③5万人を対象に6年間にわたって行われた『日本脂質介入試験』では、日本人の35歳から70歳までの高脂血症患者を対象に冠動脈危険因子の有無と冠動脈疾患発症率の関係を大規模かつ6年間にわたり調査研究した。
結果は『総死亡率がもっとも少ないのは、総コレステロール値が200mg/dlから279mg/dlであり、総コレステロール値が高くても低くても死亡リスクは高くなるが、低いほうがより死亡リスクが高くなる。さらに総コレステロール値が低いほどがんの死亡率が多くなるし、総コレステロール値が160mg/dl未満は280mg/dl以上の約5倍になる。』というものだった。
さらに面白い調査研究があるので紹介する。

④ミュンヘン大学医学部元教授ワルター・ハルテンバッハはコレステロール低下薬の効果に関するさまざまな調査研究をきちんと精査した。調査結果で次の事がわかった。『コレステロールは動脈硬化や心筋梗塞の発症に全く影響を及ぼさない。高コレステロール値は長寿とがん発生頻度が低い事の指標になっている。コレステロール値を下げる事は総死亡率の上昇とがんの発生率の増加をもたらす。・・・・コレステロールを下げる事は無駄であり、健康を害し、時には致命的である。』とまで報告している。
奥村康先生曰く、コレステロール値が高いほうが、NK活性が高いからだそうだ。

⑤奥村先生の専門分野の免疫力との関係では、アメリカ・ノースカロライナ州での男性48000人の調査(1973年から1993年)では、コレステロール値が高いほうが肺炎とインフルエンザで入院する人の数が少なかったという。
⑥日本でも神奈川県伊勢原市の調査結果でも『悪玉コレステロール値が180mg/dl以上ならば、肺炎が原因と考えられる呼吸器疾患による死亡率が男性で3分の1以下、女性で半分になった。』と報告されたそうだ。結論としては悪玉が高いほうが感染症での死亡率が低くなることがわかってきた。つまり現在は悪玉コレステロール値が140mg/dl以上で悪いとなって薬を飲まなければならないレベルとなるが、かえって感染症になりやすくしている事になるのだね。
『コレステロール値が40mg/dl上がると脳卒中による死亡率が約三分の二に減る可能性がある。』と言う報告もある。(大阪府守口市民センターの辻久子氏らの調査による)

⑦駅から飛び降り自殺をした人達の調査報告によるとほぼ全員がコレステロールを下げる薬を飲んでいたと言う。これはコレステロールが大幅に低下すると『気力が低下』して『うつ』になる事と関係しているのだそうだ。体の中でコレステロールが多いのが脳で、体内のコレステロールの約四分の一が集中している。しかもコレステロールの20%から30%は脳細胞で作られると言うのでコレステロールが低いと脳の働きが低下して、生きる気力が失われたり『うつ』になったりするのね。
まあ、日本の基準値が厳しすぎる理由は良くわからないけれど実際アメリカでは『心臓に異常がなければ、300mg/dl以下は放置で心配ない。』としている。東洋人と欧米人の違いなのか???
奥村康先生は『コレステロール値を240mg/dl程度で線引きして薬を使うと、精力は減退し、気分が落ち込みうつになったりがんなどの病気になる危険性が高くなる。』と言う。

(コレステロール:ワルター・ハルテンバッハ著大島俊三・小出俊子共訳奥山治美監修中日出版社参照)

数値の上下で『一喜一憂』しないで『暴飲暴食』に気を付けて楽しい毎日を過ごす事が、ストレスからの解放に繋がり、この生き方が『長生きの秘訣』なのね。

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