う蝕菌が脳出血を悪化させる?
『ある種のミュータンス菌が脳出血を悪化させる』
これは大阪大学大学院歯学研究科大嶋隆教授らの研究グループと浜松医科大学の梅村和夫教授らとの共同研究により脳出血を悪化させる性状を持つミュータンス菌を特定した。
特定されたストレプトコッカス・ミュータンスのうち、コラーゲン結合能を有する物は健康な人では1割程度しか検出されないが、脳出血患者では約3割も検出されたと言う。
この研究は、脳出血患者からこの種の菌を分離し、脳血管障害マウスや脳卒中を起こし易い高血圧ラットに感染させる実験で脳出血を悪化させる事を確認した。
大嶋教授は『この種の菌を保有する人がすぐに脳出血を起こす訳ではないが、高血圧・喫煙・ストレスなどの危険因子による血管障害が生じている場合は、脳出血を悪化させるリスクが高まる可能性がある。』と説明する。
一般にミュータンス菌は母子感染で伝搬して行く事実が多い事が知られており、この種の菌を保有しているかどうかを事前に把握する事の有用性にも触れていた。
(インターネット版国際学術雑誌ネイチャーコミュニケーションズ:9月27日:2011年)
以前歯周病菌が脳や心臓の栄養血管(冠動脈)に詰まって脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす事を書いたが、これに新たにう蝕菌もその影響に関係してくる事がわかって来た事になるのだね。
そういう意味でも定期的なお口のクリーニングが重要な意味を持ってくると言う事なのね。
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