認知症と家族の会 介護度について
また介護度が上がると、どういう利点があるか聞かれた ???
結論からいうと、**要介護度が上がる一番大きな意味は、「受けられる介護サービスの量・選択肢が増え、家族の介護負担を減らしやすくなること」**です。ただし、「介護度が高いほど得」という意味ではありません。
たとえば要介護1から要介護3へ上がれば、介護保険で利用できるサービスの区分支給限度基準額が大きくなります。そのため、訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具などを組み合わせやすくなります。また、特別養護老人ホームは原則として要介護3以上が新規入所の対象です(要介護1・2でも特例入所があります)。
一方で注意したいのは、介護度が上がると、サービスを多く使えば当然自己負担額も増える可能性があることです。また、介護度が上がっただけで現金がもらえる制度ではありません。
今日のトイレ問題とも関係します。たとえば認知症が進んで、排泄の失敗が増える、紙パンツを流してしまう、トイレ誘導や見守りが何度も必要になるなど、家族の介護負担が明らかに増えてきた場合は、現在の要介護度が実態に合っているかケアマネジャーに相談する価値があります。状態が大きく変わった場合には、認定期間の途中でも区分変更申請を検討できます。
家族の会では、
「介護度を上げることが目的ではありません。今の本人の状態に合った介護度にして、必要なサービスを十分に使えるようにすることが目的です。」
要支援1~要介護5 どう違う?
| 介護度 | おおよその状態 | 家族から見たイメージ |
|---|---|---|
| 要支援1 | 基本的には自立。一部に支援が必要 | 掃除・買物など少し手助け |
| 要支援2 | 立ち上がりや歩行などに支援が必要になる | 日常生活の一部を手伝う |
| 要介護1 | 認知機能や身体機能が低下し、部分的な介助が必要 | 服薬・入浴・排泄などに声かけ |
| 要介護2 | 食事・入浴・排泄などで介助が増える | 一人にしておくのが心配になる |
| 要介護3 | 日常生活全般でかなりの介助が必要 | 排泄・着替え・移動などを日常的に介助 |
| 要介護4 | 多くの日常生活動作で全面的な介助が必要 | 昼夜を通して介護負担が大きい |
| 要介護5 | 生活全般でほぼ全面的な介助が必要 | 常時介護に近い状態 |
※これはあくまでイメージです。実際の認定は、身体機能だけでなく認知機能、行動、必要な介助などをもとに判定されます。
介護度が上がると何が変わる?
大きな利点は、介護保険で利用できるサービス量の上限が増えることです。
たとえば要介護度が上がれば、デイサービス、訪問介護、訪問看護、ショートステイ、福祉用具などを、本人の状態に合わせて組み合わせやすくなります。
さらに、特別養護老人ホーム(特養)は原則として要介護3以上が新規入所の対象になります。要介護1・2でも、やむを得ない事情がある場合には特例入所があります。
今日の「トイレ問題」なら
「紙パンツを何度もトイレに流してしまう」という行為だけで介護度が上がるわけではありません。
しかし、
排泄の失敗が増えた → トイレ誘導が必要 → 紙パンツ交換にも介助が必要 → 夜間も見守りが必要 → 家族だけでは対応が難しくなった
というように、実際に必要な介護の量が増えていることが重要です。
こういう場合にはケアマネジャーに、
「認定を受けた時より認知症が進み、排泄介助や見守りがかなり増えています。現在の介護度が実態に合っているか見直してもらえませんか?」
と相談するとよいでしょう。
状態が大きく変化していれば、認定期間の途中でも区分変更申請を検討できます。
家族の会での一言
私は次のように説明すると伝わりやすいと思います。
「介護度が上がることを悪いことと考えなくていいんです。大切なのは、今の本人の状態に合った介護度にして、使えるサービスを上手に使い、家族だけで抱え込まないことです。」
今日の「トイレ問題」と「介護度が上がる意味」は、実はつながった相談ですね。認知症の変化を家族だけで抱えず、必要になった介助量に合わせて介護保険を使うという考え方をすると、ご家族も少し先が見えやすくなると思います。

