認知症と家族の会で良く出る質問
『物忘れがひどく成ったのですが、認知症ですか ???』
認知症や脳の働きを考える上で、海馬と**古代脳(大脳辺縁系)**はとても重要です。
海馬(かいば)とは
海馬 は側頭葉の奥にある小さな器官で、タツノオトシゴに似た形をしています。
主な働きは
- 新しい記憶を作る
- 体験を長期記憶として保存する
- 場所や方向を認識する
ことです。
例えば、
- 昨日誰と会ったか
- 今日の朝食は何だったか
- 駐車場に車を停めた場所
などを覚える働きがあります。
認知症と海馬
特に アルツハイマー病 では、海馬が早い段階から萎縮します。
そのため、
- 最近の出来事を忘れる
- 同じことを何度も聞く
- 物を置いた場所が分からない
といった症状が現れます。
一方で、
- 若い頃の思い出
- 子供時代の記憶
- 歌や昔の習慣
は比較的残りやすいのが特徴です。
古代脳とは
「古代脳」は医学用語ではありませんが、一般には
- 脳幹
- 視床下部
- 扁桃体
- 海馬
など生命維持や本能を司る部分を指します。
これらは人類が進化する前から存在していたため「古代脳」と呼ばれます。
古代脳の役割
- 呼吸
- 心拍
- 食欲
- 睡眠
- 危険の察知
- 喜怒哀楽
などです。
扁桃体との関係
扁桃体 は古代脳の重要な部分です。
認知症が進んでも、
- 優しくされた
- 怒られた
- 安心した
という感情は比較的残ります。
そのため認知症ケアでは
「何を話したかは忘れても、その時の気持ちは残る」
と言われます。
認知症家族の会で伝えやすい話
認知症の方は
- 海馬(記憶の図書館)が壊れてくる
- しかし古代脳(感情の脳)は比較的残る
ので、
「正しいことを何度も教えるより、安心感を与えることが大切」
つまり、
同じ事を何度も言うのは、誰も海馬が少しずつ壊されていくので
みんな同じなんだよと言い聞かせて、話を聞いてあげる事が大事だと思う。
『結論』
「記憶は薄れても、愛情や安心感は最後まで届く」
丹野智文様について触れたいと思います。
39歳で若年性アルツハイマー病を宣告された、ある大手車会社のトップセールスマン。
診断された時はとても不安だったと言うが、それを乗り越えて今では家族・同僚・仲間たちに
笑顔で接して頑張っている姿が素晴らしいと感じた。
アルツハイマー病だからと落ち込む必要は無い。
丹野智文 笑顔で生きる ―認知症とともに― (著)丹野智文、(著)奥野修司 参照

この写真は京都市に研修に行った時にたまたま出会ったと言う『認知症と家族の会』静岡市代表 水島様より
許可を得て載せさせて頂きました。丹野智文様ご本人です。とても明るく感じました。
丹野智文さん/認知症と診断されて 病との向き合い方を語る
https://www.asahi.com/relife/article/11333191

