コラム
認知症と家族の会 高齢者の栄養指導シリ-ズ⑧
『オリ-ブオイルとえごま油の上手な使い方』
「どちらが体に良いの?」と聞かれたら、どちらも健康に良いが、役割が違うと説明すると分かりやすいです。
オリーブオイルの効用
① 悪玉コレステロール(LDL)を下げる
主成分のオレイン酸が、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きを助けます。
② 動脈硬化の予防
血管を健康に保ち、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げることが期待されています。
③ 抗酸化作用
ポリフェノールやビタミンEが含まれ、細胞の老化を抑える働きがあります。
④ 便秘改善
オレイン酸が腸の動きを助け、便を出しやすくします。
⑤ 加熱調理に向く
炒め物や焼き物にも使いやすく、酸化しにくいのが特徴です。
えごま油の効用
① オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富
体内で一部がDHA・EPAに変わり、脳や血管の健康維持に役立ちます。
② 認知機能の維持
オメガ3脂肪酸は脳の細胞膜の材料となり、認知機能の維持が期待されています。
③ 血液をサラサラにする
血栓ができにくくなる働きが期待されます。
④ 炎症を抑える
体内の慢性的な炎症を和らげる可能性があります。
⑤ 血圧を整える
血管の健康を保つことで、血圧管理にも役立つと考えられています。
えごま油を使う時の注意
- 熱に弱いため、加熱調理には向きません。
- サラダ、豆腐、納豆、ヨーグルト、味噌汁などに食べる直前にかけるのがおすすめです。
- 開封後は冷蔵庫で保存し、できるだけ1~2か月を目安に使い切りましょう。
オリーブオイルとえごま油の違い
| オリーブオイル | えごま油 |
|---|---|
| 主成分:オレイン酸 | 主成分:α-リノレン酸(オメガ3) |
| 加熱料理に向く | 生で食べるのがおすすめ |
| 動脈硬化予防 | 脳・血管の健康維持 |
| 便秘改善にも役立つ | 認知機能維持が期待される |
高齢者におすすめの使い方
- 炒め物や焼き魚にはオリーブオイル
- 納豆・豆腐・サラダ・ヨーグルトにはえごま油を小さじ1杯程度
このように使い分けると、それぞれの良さを生かせます。
患者さんへの一言
「オリーブオイルは血管を守る油、えごま油は脳を守る油と覚えると分かりやすいでしょう。どちらも適量を毎日続けることが健康長寿につながります。」
「油は減らすだけではなく、良い油を選ぶことが大切です。オリーブオイルやえごま油を上手に取り入れることで、血管や脳の健康維持に役立ちます。」
また、栄養指導では「まごわやさしい」という合言葉も一緒に紹介すると、毎日の食事を覚えやすくなります。
- ま:豆類(納豆・豆腐)
- ご:ごま・ナッツ類
- わ:わかめなどの海藻
- や:野菜
- さ:魚
- し:しいたけなどのきのこ
- い:いも類
これに、
- 卵
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)
- 果物
- 良質な油(オリーブオイル・えごま油)
を加えると、高齢者の低栄養予防やフレイル・サルコペニア予防に役立つ、バランスのよい食事になります。

