コラム
認知症と家族の会 高齢者の栄養指導シリーズ⑩
「認知症予防と口腔ケア」
「口は脳への入り口」
口は「食べる」「話す」「笑う」だけでなく、脳を刺激する重要な器官です。
歯や舌を使うことで脳の血流が増え、認知機能の維持につながることが分かっています。
1. よく噛むことが脳を活性化する
噛むことで
- 海馬(記憶)
- 前頭前野(判断・計画)
- 運動野
が刺激されます。
咀嚼は脳への”体操”とも言われています。
2. 歯を失うと認知症リスクが高くなる
歯が少なくなると
- 噛めない
- 食事量が減る
- 栄養不足
- 会話が減る
- 外出しなくなる
この悪循環が認知症につながります。
20本以上の歯を保つことが健康長寿の目安です。
3. 入れ歯を使うことも大切
歯がなくても
- 入れ歯をしっかり使う
- よく噛める状態を保つ
ことで脳への刺激は回復します。
「入れ歯は第二の歯」です。
4. 口腔ケアで炎症を減らす
歯周病菌は
- 血液に入り
- 全身へ回り
- 脳にも影響する可能性
が報告されています。
歯周病は認知症との関連が研究されています。
5. 誤嚥性肺炎を防ぐ
口腔ケアを行うことで
- 細菌が減る
- 誤嚥性肺炎が減る
- 入院が減る
- 体力維持
につながります。
6. 栄養改善
口がきれいになると
- 食欲が出る
- よく噛める
- たんぱく質が摂れる
- サルコペニア予防
にも役立ちます。
7. 会話が増える
口が動くことで
- 発音しやすい
- 人と話す
- 表情が豊かになる
社会参加が認知症予防になります。
「今日からできる認知症予防」
① 毎日歯磨き・舌清掃
② 入れ歯を毎日洗浄
③ よく噛んで食べる(一口30回を目安)
④ 定期的に歯科受診
⑤ 口の体操(あいうべ体操・パタカラ体操)
⑥ しっかり栄養を摂る
- たんぱく質
- 牛乳・ヨーグルト
- 卵
- 納豆
- 魚
⑦ 人と話し、笑う
歯科医院でできる認知症予防
- 口腔機能の評価
- 口腔衛生管理
- 義歯調整
- 摂食嚥下指導
- 栄養指導
- 家族への支援
- 多職種との連携
覚えておきたい言葉
「健口(けんこう)は健康の入り口、口を守ることは脳を守ること。」
「認知症は脳だけの病気ではありません。口の健康、栄養、運動、人とのつながりが脳を守ります。今日からできる口腔ケアが、明日の笑顔につながります。」
また、近年の研究では、歯周病の予防や口腔機能の維持が、認知機能の低下を遅らせる可能性も示されており、歯科の役割はますます重要になっています。
『認知症と家族の会 高齢者の栄養指導シリーズ』は、これで終わりますが『認知症と家族の会』に出席して戴ければお話ししますね。

